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【感想】風色サーフ

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久しぶりの乙女ゲーム

それが最新のハードではなくPS2のタイトルになったのは、僕の中でPS2熱が高い証拠でもあります。

 

「風色サーフ」は2009年5月28日にPS2で発売された乙女ゲームです。

ラッセルゲームズから発売、とありますが正直このメーカーはあまり知りませんでした。

海外ゲームの発売元になっていたりと乙女ゲームに特別力を入れたメーカーではなかったようです。

 

タイトル自体も乙女ゲームで調べても上位には入ってこないような評価で、僕も動画サイトで「おすすめ乙女ゲームまとめ」という動画にちょっと紹介されているのを見るまで存在も知りませんでした。

 

しかし、PS2熱の高い今、ゲーム屋でこれを見つけてしまったが最後、記憶に残っていたし乙女ゲームを久しぶりにプレイしたかったのもあり購入・プレイしました。

 

始めてみるととこれがかなり面白く、止め時が分からなくなるほどでした。

そして隠しも含めた全キャラ攻略が終了したので感想を書きたいと思います。

全キャラ感想書いてると終わらないので、印象に残ったところに絞って書きます。

 

年下からおじ様まで

老いた父の代わりに独立航空小隊、通称『ロビュ小隊』へ整備兵としてやってきた主人公。
ある者は『女』と侮り、ある者は妙な期待を寄せ、ある者は『子供』であることに落胆する……。
誰一人として自分を『一人前の整備士』として扱わない事実を前に、主人公は毅然と口を開く。
「私は整備兵としてここに来たんです。だから、早く仕事をさせてください」

 

「風色サーフ」の舞台は過去に大戦を経験した国の空軍。

そして、主人公はまだ発展途上である飛行機の整備兵として空軍に参入します。

 

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基地が主な拠点となるため攻略対象はそこに務めている軍関係者となるわけですが、故に皆年齢が比較的高いです。

基地がある街に住んでいる年下の子も攻略対象に入ってくるのですが、それにしても一般的な乙女ゲームに比べたら平均年齢が高い。

最年長は主人公の親より年上のおじ様です(!)。

 

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乙女ゲームの経験は多くない僕ですが、ここまで年齢層が高い攻略対象が出てくるタイトルはあまり聞いたことがありません。

それゆえか、軍に所属していることや、キャラの性格で違いはあるものの、基本的に落ち着いた会話が多いゲームです。

 

年下や同年代のキャラとの、照れを交えながらの会話も見ていてほほえましいのですが、年上やおじ様の貫禄を感じる会話の方が、見ていて面白かったのは間違いありません。

 

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そして年上のキャラは軍所属期間が長いゆえに過去を持っており、その過去を絡めたシナリオも見ごたえがありました。

 

加えてサブキャラも魅力的なキャラが多く、本編と関係ない話も読み飛ばせなかったです。

 

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あまり甘々なシナリオでも食傷気味になってしまうので、久しぶりの乙女ゲームがこのような読ませるゲームで良かったです。

 

自分に無いものを取り戻す/得る物語

「風色サーフ」には、過去の経験や出自のために何かを失っている、もしくは無いと思い込んでいるキャラが多く登場します。

そして主人公は軍と全く関係ない人間であったこと、また生来の性格によって周りを驚かせる行動や発想を出します。

 

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攻略対象たちは、この主人公に触発されて自分の中に無いものを意識し、それを取り戻すか得る経験をし、それゆえ主人公に惹かれます。

 

乙女ゲームに限らず、アドベンチャーゲームではこういった攻略キャラと主人公は良く登場します。

そして、そのシナリオを通して、プレイヤは当たり前だと思っていた物事の大切さと貴重さに気が付くのです。

 

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「風色サーフ」のシナリオは、これが丁寧に描かれています。

なので序盤で抱いた印象・違和感がシナリオを読み進めるうちに徐々に変化し、攻略キャラの実情が暴かれたときにガラッと印象が変わる・違和感の正体に気が付く。

この流れが見事に出来上がっています。

 

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攻略ルートに入っても、別の攻略キャラの意外な一面がチラッと見える描写をしているのもニクイです。

そこでおや?と思っても攻略キャラのシナリオが進んでしまってそこに突っ込めない。

そして、該当キャラを攻略したときにその違和感の正体に迫れるのです。

このゲームをプレイしていて、あれはそういうことだったのか、と何回思ったことでしょうか。

 

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最後に

戦争が描かれるため、痛々しい描写があったり名前を持ったキャラが死亡したりと暗い雰囲気が漂う場面もあります。

しかし、そのような場面だからこそ失ったものを取り戻そうと奮闘する攻略キャラと主人公が輝いて見えました。

 

ただ女性がプレイするとなると、暗すぎて嫌になるかもしれませんね。

言うてそこまで凄惨な描写は無いですが、ダメな方は駄目でしょう。

 

そのためかあまり表に名前が出てこないタイトルでしたが、埋もれてしまうにはもったいない魅力を持った作品でした。

 

何より格好いいおじ様、お姉様が沢山登場するのが嬉しかったです。

昔なら格好いいイケメンを出せ!と思っていたかもしれません。

これは歳を重ねた故に楽しめたところですね。

 

PS2で発売されたきり移植もリメイクもされていないタイトルですが、何かしらの形でまた世に出ることがあれば、と思います。

 

それでは、今回はここまで。

ここからは気にいったシーンのキャプチャです。

 

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