【感想】EVE burst error PLUS
「EVE burst error」は1995年にPCソフトで発売されたオリジナル版の後に、様々なプラットフォームでリメイクされてきました。
今回、PS2で発売した「EVE burst error PLUS」をプレイしました。
C-motionという、感情表現が会話中に見られる技術が実装されています。
会話中に、キャラの立ち絵がアニメーションで動く機能です。
これによって、キャラがどのような感情を抱いているのか、そして動きでそのキャラの性格も垣間見ることもできます。
クリアまで漕ぎつけたので、感想を書きたいと思います。
マルチサイトシステム
男主人公の「天城小次郎」と女主人公「北条まりな」の二つの視点を自由に切り替えることで、一つのストーリーに近づいていくマルチサイトシステムがこのゲームの特徴です。
どちらかの視点を進めているとどこかで必ず詰まるようになっており、その時は他方の視点を攻略しフラグを建てる必要があります。
主人公が何をするのかは、コマンドで選べるようになっておりヒントも少ししか出ないので総当たり作業が大変と言えば大変です。
しかし、小次郎視点では分からない事象もまりな視点で見ると実態が見えるというシステムは面白いです。
全てを見ているプレイヤだからこそ主人公よりも一足先に推理することができる、という楽しみもあります。
徐々に真相が見えてくるシナリオと考えさせられる台詞
私立探偵である天城小次郎は、とある絵画を探す依頼を受ける。
絵画を見つけることに成功するが、それは重大な事件の一端であった。
そして内閣調査室捜査官の北条まりなは、要人の娘である御堂真弥子の護衛を命じられる。
任務を通して友情を深める二人だったが、その背後ではある陰謀が潜んでいた。
上記のような導入で始まる本作。
小次郎の依頼にしても、まりなの護衛にしても、始めは上手く行くのですがどんどん大きな陰謀に侵食されていく様が良く描かれています。
そしてシナリオを通して存在していた謎。
それが一気に氷解する終盤シナリオは、文字通り目が離せませんでした。
食事も忘れて〇ボタンを押し続けてしまいました。
終盤に明かされる数々の真相を読んでいると、それを示すような伏線が序盤中盤とさりげなく登場していたことにも気付かされます。
あからさまなものはもちろん、登場人物もプレイヤも流してしまうような小さなものまで、細やかに用意されていたのは称賛ものです。
あと個人的には、シナリオももちろんのことその間に見られる台詞に注目すべきものが多いと思いました。
主人公たちが大人ということもあり、少し説教臭い台詞も自然と読めますし「確かに」と納得するものが多かったです。
特にまりなが関わる会話に、僕は惹かれるものが多かったです。
まりなの恋愛や人と人の関係に対する考え方は、口に出さなくても分かるようなことですが、改めて口に出さないと意識できないレベルのものでもあります。
その台詞を読んで、プレイヤにそれを再認識させてくれる意味でもまりなの考え方と台詞は素晴らしいものばかりでした。
彼女の努力が報われたとは言えないエンディングとはなりましたが、彼女の考えや教えがあったからこそ、彼女に関わった人たちの行動に繋がったのだと信じて止みません。
最後に
各所でタイトルを見ることの多かった「EVE」をやっとプレイすることができました。
調べてみるとリメイクは数多くされているのに、あまり店頭で見かけなかったんですよね。
古い作品ですが、今プレイしても全く古さを感じません。
ギャグ、伏線回収、どんでん返し、カタルシスと様々な王道が詰められた丁寧な作品です。
「EVE」シリーズはリメイクでなく続編が結構出ているようなので、次はそれらにも手を出してみたいと思っています。
それでは、今回はここまで。
この後は撮ったスクショを貼ります。