【感想】Xenoblade2 やがて何も感じなくなる長編RPG
「Xenoblade」のHDリマスターがNintendo Switchで発売されて3ヶ月が経ちました。
Wiiで登場してから3DS、Switchとハードを変えながら発売され続けていることから多くのファンに支持されている作品だと分かります。
僕はHDリマスターを購入してから、まだ全然進められていないです。
というのも、その作品の続編を前に購入していたことを思い出してたからです。
「Xenoblade2」は2017年12月1日にNintendo Switchで発売された「Xenoblade」の名を冠した続編です。
当時はSwicthにはRPGがあまりリリースされておらず、RPGが出るならと前作はあまり知らない状態で購入しプレイしていました。
しかし、ある程度進めてからあまりハマらないなぁと思い始め放っておいた過去がありました。
その時は何が理由なのか分からなかったのですが、初代のHDリマスターを購入したことをきっかけにやり直したことで、理由が見えてきました。
ということで今回は本編クリア後の感想になります。
分かると思いますが、ネガティブな内容です。
そしてまとまりがないです。ネタバレあります。
書き終わった時点で3835文字でした。
...
雲海と呼ばれる雲のような海が広がり、そこに浮かぶ巨大生物巨神獣の上で人が暮らす世界アルスト。
そこには僕たちのような人の他にも様々な種族の人間がおり、さらにその人間と同調することで顕現することができるブレイドという武器生命体が存在する。
そして、世界の中心には世界樹と呼ばれる巨大な木があり、その上には平和な世界の楽園があると噂されている...。
この設定を聞いて、ワクワクすると思います。
僕はしました。
昔、「エレメンタルジェレイド」という人と同調することで武器になる生命体と人間が主人公の漫画があったのですが、それが大好きだった僕としてはこの設定は大好物でした。
更に主人公はこのブレイドの中でも最強と謳われる天の聖杯のドライバーになって冒険をするのです。
どうやって物語が進んでいくのか期待が高まるというものです。
しかし、ワクワクするのは見た目だけでした。
この世界を進んでいくたびに、その気持ちはしぼんでいくことになるのです。
そして最後には何も感じなくなります。
その要素は以下のようなものになると思います。
①過剰な王道ストーリー
一言に王道ストーリーといっても、たくさん種類があると思いますが「Xenoblade2」の王道は「子供だった少年主人公が、少女と出会い世界を旅することで成長する」だと思います。
有名なところだと「テイルズオブ」シリーズや「スターオーシャン」シリーズなんかが連想される王道です。
そして道中では挫折や勝利を経験し、些細な少年の旅は世界を巻き込む事態に発展していき、最後には世界を救う。
「Xenoblade2」もそのレールから外れることはなく、まっすぐ突き進みます。
しかし、まっすぐ過ぎるんです。
主軸のストーリーもそうですが、間に挟まるサイドストーリーやイベントもどこかで見たことのある展開を延々見させられるだけ。
イベントが始まった時に、あぁここはこういう展開になるのかなと思ったらその通りになるの繰り返しだったので最後まで意外性はありませんでした。
王道もここまで突き抜けているとつまらないものなのですね。
そんな感じなので、途中からはイベントシーンを見ていても何も感じなくなりました。
キャラは僕の想像した通りの言葉をそのまましゃべり、僕の想像した通りの展開でストーリーが進んでいくので。
王道でも、少し外れたスパイス的な要素が盛り込まれていないと、退屈になってしまうのですね。
それを知る良い機会になったと思います。
②複雑に組まれた戦闘システム
前作「Xenoblade」のシステムを踏襲しながら新たな要素を盛り込んだ戦闘。
これがまた難しい。
新しい要素が多すぎるんです。
具体的なシステムはややこしいのでここでは書きませんが、まず普通にゲームをプレイしているだけでは理解できないでしょう。
一応チュートリアルというか軽い説明は、初めてそのシステムが登場したときに入りますが、本当に軽いです。わかるわけがない。
さすがに全10話のストーリーのうち、7話で新しいチュートリアルが出てきたときは天を仰ぎました。
まだ覚えることがあるのかと。
このゲームを遊ぶだけでシステムを完全に理解できた人はおそらく一握りでしょう。
説明書や攻略本、攻略サイトの力を借りないと無理です。
そして、その戦闘システムを理解してなお長引く戦闘。
一気に大ダメージを出すシステムがあるこのゲームの戦闘に合わせて、敵の体力は恐ろしく高く設定されています。
ボスならまだしも、その辺を歩いている雑魚的ですら5桁ダメージを繰り出しても平然としています。
つまり、戦闘は雑魚であれボスであれ大ダメージを出すシステムを存分に使いこなさないと勝てないのです。
それはとても時間がかかります。
僕はさすがに我慢できなくて、終盤の雑魚敵は無視していました。
ボスもボスで、やることは毎回同じなので何も考えずに戦闘することになります。
そのうち戦闘も何も感じなくなりました。
失礼ですが戦闘中に寝落ちしたこともあります。そのくらい単調です。
あぁでも、ボスが唐突に即死級の技を平然と繰り出してきたときは大いにイラつきました。
HPが7000近くあるのにろくな予備動作もなく一瞬で0にしてきたときはまた天を仰ぎました。
③複雑に組まれた戦闘以外のシステム
戦闘は複雑でも、その他のシステムはそうでもないのではと思いたかったのですが、そこはなぜか凄い気合が込められて複雑怪奇と化しています。
RPGではメジャーな装備システム。
このゲームでは人間とブレイド両方でアクセサリーのようなものを装備できますが、人間とブレイドでは装備できるものが違います。
まぁ、それは分かるのですがブレイド用のアクセサリーは手に入れただけでは装備できません。
装備できるようにするにはそのアクセサリーにいくつかの素材をつぎ込む必要があります。
そして、その素材はアルスト中にある素材入手ポイントで採る必要があります。
そして、その素材は場所によって取れるものが当然異なり、その種類も豊富です。
そして、その種類ごとにブレイドのフィールドスキルが存在しそのスキルを持っているブレイドを所持していることで入手できる素材が増えます。
そして、そのフィールドスキルにはレベルが存在しそのレベルを上げるにはスキルリングを進める必要があります。
そして、そして、そして...。
複雑すぎます。
一つのことを実践するのにいくつ準備が必要なんですか。
これは装備に関するシステムでしたが、その中にも別のシステムがいくつか出てきたのが分かると思います。
しかし、これもごく一部です。もっとたくさんのシステムがこのゲームは存在します。
最初は覚えようとしていましたが、終盤にはもう諦めてあまり気にしていなかったです。
システムに対しても何も感じなくなりました。
実際はもう少し要素はあるのですが、ここまでにします。
取りあえず、これらの要素が原因でワクワクする見た目なのにそのうちなにも感じなくなるのです。
終盤は取りあえずここまでやったからクリアしよう。その思いだけでプレイしていました。
↓すみません、ここからもう愚痴です。
しかし、終盤の展開は本当に無感情で見ていました。
敵側の事情を事細かに説明する(説明しているようであんまりしてませんでしたが)ためにムービーがたくさん挟まり、ストーリーの進行を邪魔しまくりでした。
ヨシツネたちは死んじゃうんだろうなぁと思っていたら本当に死んじゃうし、シンは主人公に道を開きながら死ぬんだろうなぁと思ったら本当にそうなるし、メツは結局言葉では説得できないんだろうなぁと思ってたらそうだし。
ホムラ/ヒカリにすべてのブレイドの力が使える設定が追加されたのに、大事なところ以外では全く使わないのも都合が垣間見えて嫌でしたね...。
ラスボスを倒した後に、脱出する展開なんだろうなぁと思ったら本当にそうなるし、ホムラ/ヒカリが自己犠牲するんだろうなぁと思ったらそうなるし。
惚れた女の想いに答えるのが大人になるってことや、ってそんなお話しでしたっけ?このゲーム。
そしてしれっと帰ってくるホムラ/ヒカリ。
レックスの気持ち考えてください。
あと世界樹全然消せてなかったのですが、大丈夫だったんですかね。
個人的な希望では、神様を本当に出してほしかったです。
そこが最後の希望でした。
しかし、結局神様は大昔の人間でしたという展開。
それはもうみたことあります..。
このお話で、プレイヤーの心には何が残るのでしょうか。
このお話は、プレイヤーに何を伝えたかったのでしょうか。
共に歩んできた女性が、自己犠牲をするといったらそれを受け入れてあげることが大人になる、ということでしょうか。
もしかして、最後の展開に困ったからこうしたのではないか、そう邪推してしまいます。
あれだけ、人もブレイドも素晴らしいものだとレックスが力説していたのは何だったのでしょうか。
最後は人とブレイドの絆で何とかしてほしかったです。
そこは王道でいいんですよ。
もし続編があるのなら、方針を変えていただきたいものです。
ゼノのハードなSFに寄せた方が個人的には好きです。
最後に、ラスボスの即死級全体攻撃が唐突に飛んでくるのは絶対に許しません。
今回はこの辺で。