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【感想】ブレイブリーデフォルトⅡ

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ぶったまげました。


ここまで面白いタイトルになるとは、体験版第一弾が配信されたときは夢にも思っていませんでした。


正直、体験版第一弾はかなり印象悪かったので評価が低いところから入ったのもありますが、製品版の中盤を迎えるころには
他の名作RPGと変わらない位置まで上り詰めました。

 

発売が2/26なので、約一か月でのクリアとなりましたが新作をこのペースでプレイしてクリアするというのは最近の自分のプレイスタイルからいうとかなり異例です。
それほどハマったということですね。

 

では、良い点悪い点を挙げながら感想を書きたいと思います。

ネタばれは気にしていないので、ご了承ください。

プレイ時にパシャパシャ撮っていたスクリーンショットも貼っています。

 

 

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良い点


①設定もストーリーもキャラも丁寧

初代ブレイブリーの評価された点の一つには、日本産RPGとして馴染みのある世界設定やストーリー、キャラに加えて少しの意外性が盛り込まれている点があると思います。


王道な展開でプレイヤをわくわくさせておきながら、少し挑戦的な展開をしてプレイヤに新鮮な体験をさせてくれる。
間口を広げて入りやすくして、入ってきた人はぐっとつかんで離さない、そんな魅力がありました。

 

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ブレイブリーⅡはそれをきちんと踏襲してくれました。
クリスタルに選ばれし4人が集まり、最初はそれぞれの目的のために行動を共にする、やがてそこに絆が生まれ仲間になる。
そして旅の中で得たものが結集し世界を救う。
しかしそこに至るには、ただ進めれば良いのではなく...といった感じでした。良いですね...。

 

キャラもテンプレな設定が基板になっているものが多く、突飛な設定や言動をするキャラも少なくすんなりと受け入れられました。

 

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セカンドの時はキャラの印象を強くさせようと、設定や言動に違和感や嫌悪感を抱く場面が多かったのでその反省が活かされているのが嬉しかったです。
逆に言えば、エアリーのような良い意味で嫌悪感を抱くキャラというのもあまりいなかったですね。
そういう意味では平凡だったかもしれません。

 

しかしこのタイトルが偉いのは、ストーリー上ボスの役割で終わっていたキャラが後々にサイドクエストに登場してその人となりを見せてくれるところです。

 

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ボスキャラとしては、ただのムカつくやつだったりよく分からないやつだったりしても、サイドクエストで意外な顔を見せてくれたりして、印象が一気に良くなることが多かったです。


個人的にはライムダールのキャラの掘り下げクエストが好きです。
悪い面しか見えなかった人も、視点を変えてみれば色々な面が見えてくるという話でしたね。

 

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キャラ設定について加えて言うと、パーティチャットも良かったです。
初代の時も絶賛されていましたが、今作でも健在でした。


メインのストーリーには絡まないけど、キャラについて少し深く知れるチャットはキャラを好きになるのにも、ブレイブリーⅡの世界を知るのにも役立っていました。

 

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最終場面でお互い言葉は交わさないけれど、思いは一つだと確認できるあのチャットが好きです。

 

このような丁寧さのおかげで、誰かしら好きなキャラが見つかると思います。
自分は忠臣キャラが好きなので、ロンズデイルが好きですね。
こういうキャラは死にやすいので、ロンズデイルもそうなんだろうなと思っていたら生き残ってくれてホッとしました。
外れ者の面倒を見てくれるとか格好いい...。

 

②遊びやすさ

初代のマイナーチェンジ版でもそうでしたが、プレイヤが遊びやすいように様々な設計がされています。
エストの行先表示、こまめなオートセーブ、可変な戦闘倍速モード、レベル差があるとできる戦闘回避等々...。


最近のゲームはユーザフレンドリーな面が目立ちますが、このタイトルもその類に漏れません。
ジョブのレベル上げが必要なこのゲームで4倍速モードがあるのは実際ありがたい。
ドラクエ6の職業レベル上げとかSFCでやるとかなり大変)

 

RPG初心者や、ふだんあまりゲームをやらない人でもプレイしやすいというのは良いことですよね。
(このタイトルの難易度が低いかは置いといて...)
そういう意味ではストーリーやキャラ設定同様、間口を広げることはできていると思います。

 

ただ、この遊びやすさのために(恐らく)犠牲になっているものもあります。
それは悪いところで書きましょうか。

 

③ストーリーとシステムの融合

個人的に一番印象に残ったのはこれです。
ゲームという媒体を活かしたストーリーとシステムの融合には驚かされました。
振り返ってみると、なるほど確かにそうだと納得もできる。

 

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初代のセーブ旅人みたいなことがあったので、探索を担当しているおばあさんは怪しいな...と思っていたのですが
まさかRPGに付き物のセーブや、今作の特徴でもあるジョブにまで意味を与えてくるとは。

 

プレイヤが「見た」ものを「セーブ」することでゲーム内のキャラにそれを知らせることができる。
セーブをあの魔導書を通じて行っていることを全然気にせずプレイしていたので、それを示唆されたときはぶったまげました。

 

探索についても、「外界」と「ゲーム外の世界」の意味を重ねて上手くシステムに落とし込んでいますよね。
主人公の来訪と出自、外界の探索、これらの意味に迫る終盤の展開は目を見張ってばかりでした。

 

ゲーム内の「当たり前」とプレイヤの「当たり前」は同義では無い、という定義を揺るがしかねない仕掛けです。

 

ゲームと現実を重ねようとする試み自体は、古くからありました。
自分の知るところだと「スナッチャー」や「Ever17」が頭に浮かんできます。
しかし、最新のゲームでこのような体験ができるとは...感無量です。

 

④やり込み要素

人によってはブレイブリーシリーズにはこれを期待しているということもある、やり込み要素。
本作にも健在です。
むしろ、パワーアップして帰ってきました。

 

ジョブ集め、ジョブレベル上げはもちろんのこと、最強武器収集、隠しボス討伐、カードゲーム、強くてニューゲーム、ステータスドーピング
そして強くてニューゲームのみで見られる別エンディング等々...。


正直、ジョブレベル限界突破とそのレベル上げだけでも大変なのに、その他の要素もやり込もうとするととてつもないボリュームです。

 

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ストーリーも後半に差し掛かって、もう新要素も無くクリアへ向かうだけかなと思っていた矢先に新要素がドカドカと登場して若干引きました。
このゲーム、どこまでプレイヤに遊びを提供してくるのかと。

 

自分はレベルカンストと最強武器、あとは別エンディングくらいはやりたいと思っていますが、その他はやり切れるか分からないです...。
でも、SNSで他のプレイヤの方の楽しそうにやり込んでいる姿を見ていると、自分もやりたくなってくるので結局全部やるのかも...。

 

クリアして終わりではない、自分の満足するまで遊ぶことのできる今作のようなゲームは本当に素晴らしいです。

 

⑤音楽

ゲームを構成する要素で個人的に絶対に外すことのできない要素、音楽も今作は珠玉のモノが揃っております。
初代のコンポーザーであったRevo氏が今作も続けて担当をしてくださり、初代の雰囲気を感じられつつ、しかしこれはブレイブリーⅡの音楽だ!と思える曲が
目白押しです。

 

初代はメロディがかなりはっきりしている曲が多く、それがプレイヤの耳に残り評判になったのですが、今作は少し違うと自分は思います。
メロディが印象に残る曲もあるのですが、それよりも曲がかかる場面を想定した雰囲気重視の曲が多いです。

 

初代が「あの曲のあのフレーズを聞きたいなぁ」と思える楽曲群ならば、
Ⅱは「あの場面でかかっていたあの曲を聞きたいなぁ」と思う楽曲群です。
強く印象に残るメロディは少なくとも、曲全体を通して聞くと満足感がある。

 

イベント曲、フィールド曲も素晴らしいものが多いのですが、個人的に今作で印象に残ったのはバトル曲です。
というのも曲の種類が多い!
通常バトル、ボスバトルはもちろんのこと、アスタリスク所持者曲、強敵曲、通常バトルver2等々。
あれ、ボスバトルだけど前の章のボスバトル曲と違くない?と驚くこと必至。

 

特に4章に入ったときに通常バトル曲が変わったのには感動しました。
ストーリーの展開も熱いので、そこにきてバトル曲切り替え。ニクい演出です。
「オクトパストラベラー」でもこの感動を味わったなと思い返したり。

 

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そして初代でも高評価だったラストバトル曲。
今作も絶対に気に入るものになっています。
曲単体で見ても素晴らしいのに、シリーズを通してプレイしているプレイヤには特に刺さるフレーズが多かったですね。

 

Revo氏は音楽を聞く人の気持ちを汲み取って曲に落とし込むのが本当に上手い方だと思います。
それはラストバトル曲やエンディングでも表れていましたね。
エンディングであんなに感動した理由は、音楽を利用した演出があったことも間違いなくその一つでしょう。

 

サントラ、買わなきゃ。

 

どちらでもない点


①バトルシステム

上で少しだけ難易度の話に触れましたが、ブレイブリーシリーズはバトルのシステムがちょっと変わっていてRPG初心者は戸惑うことが多いです。
それでいて、今作は一層難易度が上がっておりそれが人によってはネックになるでしょう。

 

ブレイブ、デフォルトのシステムは初代からある伝統システムなので仕方ないとして、今作独自要素のカウンターとジャマーが厄介。
こちらの特定の行動に対して主にボス敵が行うものなのですが、これが強いこと強いこと。

 

アイテムを使ったらその使ったキャラにカウンターされて即死、補助魔法を使ったらジャマーが発動して敵キャラのブレイブが上がる等。
こちらが一気に不利になる行動を次々と使ってきて、初見ではどうすればいいのか分からなくて混乱します。

 

ただ、これはシステムを理解すればちゃんと戦えるようになっています。
アイテムを使うとカウンターされるなら、この戦闘ではアイテムは使わず白魔法で回復すればいいのか。じゃあ白魔導士ジョブチェンジして再戦しよう。だったり
補助魔法を使うとジャマーが発動するのか、ならデバフを使えるピクトマンサーにジョブチェンジして相手のステータスを下げよう。だったり

 

でもそこに気が付くことが出来なければ、何だこのク〇ゲー!となってしまう可能性も秘めているわけです。

 

気に入ったジョブでずっと冒険できるわけではなく、敵に応じて臨機応変に戦術を組み替える柔軟さが求められています。
ジョブシステムを採用しているからこそのこの戦闘システムは、かなり思い切っていると思います。
ボスバトルで意味が分からずカウンターで全滅して、やる気をなくす人もいたでしょう。

 

これは人によって印象が異なると思いますし、自分も最初訳分からなかった人の一人なので、どちらでもないとしました。

 

悪い点


①度重なるカクつき

今作はオートセーブを採用しているので、想定していない全滅があっても少し前からやり直すことができます。
良い点でも挙げた遊びやすさに通じるところなのですが、恐らくこのオートセーブによって各所でゲームの動作がカクカクすることがあります。

 

例を挙げると街からフィールドに出たとき、イベントが終わってフィールドに画面が戻ったとき、逆にイベントが始まったとき等。
大事なイベントでもキャラが一瞬止まって、次の瞬間に別の場所にワープしているみたいなことも何度かありました。
これはオートセーブ関係ないのかな。

 

イベント明けでパーティチャットが発生しているときも、画面上は+ボタンを押すとチャットが始まるよと表示されて、ボタンも押しているのに反応せず
ちょっと待っているとようやく入力を受け付ける...が標準です。

 

多くの遊びやすい要素があるのに、これ一つで個人的には印象がかなり悪くなりました。
グラフィックとか二の次でいいので、快適に遊ぶことのできるゲームが大好きな自分としては、ここだけはこのゲームの悪いところだと断言します。
プレイしているうちに慣れましたけどね。無い方が良いのは変わりません。

 


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体験版をプレイした時は、バトルシステムの難解さやカクつきにばかり目が行き印象が悪かったです。
なので、製品版も買うか悩んでいたのですが発売日になって「でもやっぱりプレイしたいな」と思って購入。
結果、大満足です。

 

終盤に向けてどんどんワクワクできるゲームというのは、結構貴重なものです。
今作はそれがストーリー的にも、システム的にも、やり込み的にも感じられます。
そして最後の感動。これは音楽の力も大きいですね。
サントラ...買わないと...。

 

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多くの作品が世に出回り、平凡な内容のものは見向きされづらくなることも多くなりました。
逆にどんなに平凡な内容でも。世の盛り上がりに引っ張られただけで評価された作品もたくさんあります。
結局はそれを見た自分がどう感じるか、に帰結するのですが周りに流されずに自分だけの意見をもつことは結構難しいことです。
SNSやインターネットが身近にある昨今ではなおさら。

 

人がやっているのを見ただけ、話しを聞いただけ、では作品の本質は分からないんです。
自分も体験版の印象や体験版の感想意見をみただけで今作の評価を決めつけようとしていました。
でも、プレイし終わった現在、今作は素晴らしい作品だと分かります。

 

世の評価がどうなっているかは調べていないので分からないのですが、自分は今作の感想を「面白い」と言い切ります。

 

今作に関わった方々に感謝いたします。

 

それでは、今回はここまで。

 

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