世界を斜め下から見る

色んなモノの感想を書く。

【感想】PS2版ペルソナ4

スポンサーリンク
スポンサーリンク

 

f:id:regless:20200721150456j:plain

 

ペルソナ4のsteam版が発売され、大きな反響を呼んでいます。

 

www.4gamer.net

 

 ペルソナシリーズでは初めてのPC展開ということで、配信前も後も話題になっていました。

 

ペルソナシリーズは知っているけども、まともにプレイしたことのない自分としてはこの機会に!と思う以前に...

この情報が出る前からPS2版を購入&プレイしていた僕は「え~」という気持ちの方が大きかったです...。

 

とはいっても、このゲームの本質は原作のPS2版で味わえるはずとプレイを続け先日クリアしました。

思う存分満喫させていただきました。

 

今回はクリアしたうえで、「ペルソナ4」をプレイした感想を書きたいと思います。

システムの基本的な部分は知っている前提で書いています。

 

記事を書き終えたタイミングでの文字数は3899文字でした。

 

コミュシステム

ペルソナシリーズ、とりわけ「ペルソナ3」から続いている特徴的なシステムであるコミュシステム。

このシステムがこのゲームをこのゲームたらしめている要因であると思います。

 

田舎町に引っ越してきた主人公が、仲間をはじめとした町の住民たちと交流をする。

それらを21のアルカナにあてはめ、交流を深める度にコミュレベルが上がっていき、ペルソナを生み出す能力を強化する。

 

オーソドックスなRPGではまず見られないシステムです。

冒険を有利に進めるためには、戦闘ではなく交流が優先されるなんてTRPG味すら感じます。

 

共に冒険する仲間にもコミュが割り振られており、彼らのコミュレベルを上げると戦闘をさらに有利にしてくれる技を覚えてくれます。

人と人の絆が結果的に自分を助けるものになる。

コミュをすればするほどゲームオーバーが遠ざかるので、自然とコミュを優先するようになるこの流れは素晴らしいです。

 

というのも、コミュを楽しめないとこのゲームを楽しむことはかなり難しいからです。

ゲーム側がコミュを優先してほしがるのは、このゲームの伝えたいことの多くがコミュに凝縮されているためです。

そのコミュを進めるのが苦痛では、ゲームは楽しめません。

 

そしてコミュをこなしていたからこそ訪れるエンディングでの感動。

ゲーム内でも発言がありましたが、多くのコミュ--人との絆を結んだこの田舎町はまさしく主人公の「フルサト」です。

 

 

21もあるコミュですが、個人的に気にいっているコミュは「節制」の児童保育コミュです。

離婚して母親がいなくなった子供と、その子供の父親と再婚した女性の話なのですが色々と考えさせられました。

 

二人はお互いに相手は自分のことを煙たがっていると感じてすれ違いを繰り返すのですが、その様子をかわるがわる主人公--僕に見せてくるのがもどかしくて...。

早くこの二人の誤解を解きたい!と気持ちが逸りながらプレイしていました。

 

そして最後、母親になった女性--絵里の言葉

「人生は80年の暇つぶしだと思っていたけど、今は違う」

「今までは今を生きてきたけど、これからは未来を生きる」

「母親っていいでしょ?」

正確ではないと思いますが、上記のような言葉が僕には刺さりました。

結婚していないし、子供もいない僕ですが色々と感じる台詞です。

 

言葉の内容が良い悪いではなく、人は置かれている環境や考え方ひとつで人生観を大きく変えることができる、前を向くことができると感じさせられます。

あの親子には幸せな未来が続いていることを願います。

 

 

ペルソナシステム

ペルソナシリーズの代表的なシステム、ペルソナ。

主人公や仲間と共に戦ってくれ、仲魔にした後に合体をすることでより強力なペルソナにすることもできます。

 

最初に白状すると、僕はこのようにモンスターを仲間にしたり、合体させたり育成差たりするゲームが大の苦手です。

大体この手のゲームでは、手順を踏んでより強力なモンスターを生み出す(望みの技を引き継がせたり、パラメータを好みの値にする)が定石だと思うのですが、それが嫌なんです。というか面倒です。

 

そのモンスターを使うなら、そのモンスターの力だけで戦いたい!と思ってしまいます。

しかし、大抵その考えでは詰まるところが出てきて結局合体を駆使して強力なモンスターを生み出す作業に入るのですが...。

同じ理由でドラクエモンスターズポケモンも苦手...。

 

そんな僕ですので、このゲームでも苦痛に感じながらペルソナを生み出していました。

特にこのゲームは合体元のペルソナの技を引き継ぐとき、合体決定ボタンを押したときにそれがランダムに抽選されます。

そのため望みの技が出てくるまで延々と決定→キャンセルを繰り返す必要があり、「この時間がなんなんだ...」と思いながら作業をする僕がいました。

 

まぁ、結果的には強力なペルソナを生み出すことができラストまで活躍してくれたので、きっとあの作業にも意味があったのでしょう。

ちなみにそのペルソナはヨシツネのことです。

 

このように戦闘に絡んでくるペルソナですが、ストーリー的にも大きな役割を持つ存在でもあります。

元々心理学用語であるペルソナは、個人が立場や環境に応じてふさわしい役割を演じることを指しています。

 

ゲーム内では抑圧された自分--シャドウを受け入れることで、それを自分と認めた仲間たちが手に入れる力として登場します。

立場や環境に応じて変わる役割も、すべて本当の自分である、と。

 

この「本当の自分」というワードはゲーム内のいたるところに出てきます。

これが前述のコミュでのこのゲームが伝えたいことに関わってくると思うのですが、それは最後に書きたいと思います。

 

 

ところでペルソナたちはさまざなデザインで登場しますが、すべて個性的な見た目をしています。

主人公のペルソナ「イザナギ」をはじめとした仲間たちのペルソナもそうですが、仲魔にすることのできるペルソナたちも個性派ぞろいです。

 

一概に格好いいとも言えない、でも魅力を感じるデザインばかりで見ていて飽きません。

名前は主に神様や悪魔の名前を引用しているのでなじみのあるものも多いのですが、デザインをみると、そう来るか...というものばかり。

 

個人的なノルンの見た目なんかがすきです。

とても神秘的ですよね。

f:id:regless:20200721114103j:plain

 

 

本当の自分

ラスボスも裏ボスも、人間の抑圧された本音を実現しようと暗躍していました。

表面上の自分は捨て、「本当の自分」という本能のままに行動する。

抑圧された自我であるシャドウに、人間すべてを変えることでそれを実現しようと。

 

コミュやストーリー上の展開でそれとは違う未来を見た主人公たちはそれに立ち向かい、見事打ち破ります。

「本当の自分」は何であるかを理解し、受けれいた主人公たちだからこそ成し遂げられたことです。

 

ストーリー展開やコミュ、ペルソナの役割から見て、この「本当の自分」がこのゲームのテーマだと思っています。

人には見せたくない、見せられない本音を隠して生きていくことは本当に正しいのか?

人にどう思われようと本音をさらけ出して生きていくことが大事なのではないか?

 

形は違えど、各コミュの内容はほとんどこの命題に則っています。

恥ずかしい趣味を隠す男の子、演じることを強要されて自分を見失う女の子、本当の自分が嫌いで可愛さを作り出した女の子...。

彼らは「本当の自分」を主人公と共に見出していくことになります。

 

周りがどう思おうと、「本当の自分」から目を背けないで向き合ってほしい。

これがこのゲームの伝えたいことでしょう。

 

しかし、ただ「本当の自分」をさらけ出しただけでは孤立してしまう可能性もあります。

だから人と人との絆を結ぶコミュもあったわけです。

 

「本当の自分」をさらけ出しても受け入れてくれる存在を見出し、自分も相手の本当を受け入れる。

人は一人では生きていけない、というフレーズもゲーム内では何回も出てきました。

 

テーマだけ見ると、ありきたりな内容かもしれません。

これまで多くの作品が扱ってきた命題ですし、答えもその枠から外れていません。

 

しかし、このゲームはその「本当の自分」をさらけ出すこと、「人と人の絆」を結ぶこと、これらをゲームシステムで実際に体験させることで説得力を増しています。

ありきたりな内容も見せられるだけじゃない、自分で実際に行動して体験したからこそ大きく響くのです。

 

それを体現したからこそ、このゲームは絶賛されていると思いました。

素晴らしいゲームです。

 

 

最後に

プレイしているときに何かストーリーに既視感があるなぁと思ったら「ペルソナQ2」のテーマと同じだったからでした。

むしろ、ペルソナシリーズはこのテーマが土台になっているのかもしれないですね。

 

初めてまともにクリアしたペルソナ本家シリーズでしたが、評価の高さも納得の面白さでした。

トゥルーエンドまでプレイしてプレイ時間110時間という長丁場でしたが、満足感はひとしおです。

 

これを機に「ペルソナ3」や「ペルソナ5」、または女神転生シリーズにも手を出してみようかなと思っています。

女神転生3」のリマスターや「女神転生5」も新情報ありましたしね。

 

ちなみに、「ペルソナ4」のsteam版ですが、国内問わず国外でも高評価を得ているようで、様々なメディアで紹介されていました。

JRPGは世界にも通用する、愛されているジャンルなんだと実感してとても嬉しかったです。

 

www.gamespark.jp

 

あと、PC版のグラフィックが綺麗すぎて驚きました。

PS2版でも何ら問題ないグラフィックでしたが、今の技術にかかれば化けるものですね...。

 

ということで、今回は「ペルソナ4」の感想でした。

久しぶりに感想を書きたいと思えるゲームをプレイできたので、嬉しいし楽しかったです。

 

それでは、今回はここまで。