【感想】レプリカたちの夜
新年、明けましておめでとうございます。
昨年は、こちらのブログは更新が滞ってしまった年でした...。
今年も頻繁に更新はできないかと思いますが、思い立ったときに記事は書いていきたいと思っておりますので、お時間があるときにでも覗いていただければ幸いです。
今回の記事も久しぶりで、どうやって書いていたか分からなくなってしまったのでまた書き方変わってます。
ぽんぽん書き方が変わって申し訳ないです...。
さて、本題。
今回は本の感想です。
仕事で遠方に出向く際、新幹線の中で何か読もうと東京駅の本屋で偶然見つけたのが本作でした。
ミステリー部門で賞を取ったりしたそうで、著名な作家さんの一押しコメントも帯に載っていました。
ここまで推されているのなら読んでみたい、ということで読むことになったわけですが
とても興味深い作品でした。
正直、話の内容はさっぱり分からないことだらけです。
話の発端になる白熊の正体も分からず、主人公と周りの人の認識がずれていることも理由が分からず、
そもそも話の舞台である世界の正体も分からず。
しかしどこか村上春樹さんの世界観を連想させる、普通おかしなことがおかしくないことのように扱われて進んでいくストーリーは意味が分からないことだらけなのにすんなりと読み進められました。
この作品を読んで、様々な解釈をした方々がいらっしゃるようです。
SNSやブログ等々でも沢山のそれらを見ることができました。
僕は、学もないですしこの話を何かで解釈することはできません。
しかしそれでいいと思っています。
この作品は、書いてあることから何かを読み取ることより書いてあることをそのまま受け入れる方が面白いです。
命とは何なのか?意識とは何なのか?人間と人間以外の動物の違いは?命を作ることの意味は?
沢山の問題提起と比喩的な表現、思わせぶりなセリフもありますがそこから真意をくみ取ることは難しいでしょう。
なにせ、この作品にはそれしかないのですから。
それら一つ一つに考えを巡らせるより、そのまま受け取った方が面白いです。
双子だと思ってたら三つ子・四つ子と増えていく外国人女性とか
禿げた人間至上主義のおっさんが謎に女性にモテモテだったりとか
基地外としか思えない女性が世界を暗黒に包んで空に飛んで消えていくとか
ぷりんぷりん音頭を踊ったら人が溶けてなくなるとか
基地外女性の件なんて傍から見たらギャグですよ。
著者の一條 次郎さんもとりあえず書きたいことを書いただけなんじゃないかと思わされる。
しかし、先に書いたようにこの作品はすんなり読み進められます。
難しい言葉遣いも少なく、展開がスムーズだからこそだと思います。
途中途中に入る、登場人物の持論展開が長いですけど...。
あらすじを読んでみてちょっとでも気になったのなら
そしてはっきりとした結末に執着しない方なら、とても楽しめる作品だと思います。
それでは、今回はこの辺で。