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【感想】.hack//G.U. Vol.1 再誕

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.hack//G.U. Vol.1 再誕」は2006年5月18日にPlayStation2で発売されたアクションRPGです。

 

架空のオンラインゲーム「The World」を舞台にしたRPG.hack」シリーズの2作目でVol.3まで出ている長編作品です。

(後にVol4も登場)

 

マルチメディアに展開するメディアミックスプロジェクトの一環でもあり、アニメ・漫画・ゲーム・小説と様々な媒体で関連作品に触れることができます。

 

アニメ「.hack//SIGN」の視聴や初代「.hack」のプレイはしたことはあったのですが、「G.U.」は今回初めてプレイしました。

 

感想はVol.3までプレイしてから書こうかと思っていたのですが、それぞれのVolの長所短所や後のVolで改善された事なども語れるかなと考え直し、Vol.1単体で感想を書くことにしました。

 

いつものように良い点悪い点を挙げながら書きます。

ネタばれは気にせず書いています。

 

 

良い点

架空の世界に深みと広さを持たせている

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 「.hack//G.U.」(以下、G.U.)は架空のオンラインゲーム「The World R:2」を舞台にしたオフラインゲームです。

 

オフラインゲームでありながらまるでオンラインゲームをプレイしているかのような感覚をプレイヤ覚えさせるために、様々な手法が取られています。

 

そして、それがこのゲームへの没入感を増す良い効果をもたらしています。

 

●ゲームからログアウトすればデスクトップの操作になり、メールの確認や掲示板の閲覧ができる。

●仲間とパーティを組むためにショートメールを送ったり、仲間がオフラインだと誘えない仕様になっている。

●ストーリーに直接関係しない他のプレイヤキャラたちにも名前や性格、所属ギルドが設定されておりまるで本当に他のプレイヤが操作しているように見える。

等々...。

 

主要都市であるマク・アヌを歩いているとプレイヤキャラが走ってきてチャットしてきたときは、思わず感動しました。

ストーリーの進行具合で同じキャラでも喋る内容が更新されているのも見逃せない所です。

 

 更に「The World」の外、つまりゲーム内の現実世界での出来事もニュースサイトで見ることができ、これがますます「.hack」の世界に深みを持たせています。

 

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「The World」内で話題になっていたことがニュースサイトの記事にあり、BBSに同じ話題が上がりレスが付き...と僕たちが生きている現実の世界と何ら変わらない営みが繰り広げられます。

 

最初に書いた通り「.hack」はメディアミックスプロジェクトのため、このゲームで登場した情報が、別の媒体作品でも登場することもあり、それが横の広がりにもなっています。

 

縦にも横にも広がりを見せる「.hack」の世界。

それを上手く描写している点は「G.U.」の特徴の一つでしょう。

 

 

社会との向き合い方を問うシナリオ

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Vol.1ゆえに、この作品だけではメインシナリオは全く終わりません。

連作だと、一つの作品では作品全体を通しての問題は解決せずそのうちの一つを解決して続く...という手法がありがちですが、「G.U. Vol.1」はそれすらありません。

 

本当にお話の途中で終わります。

 

その点は褒められた所ではないのですが、僕が興味深いと思ったのはメインシナリオの間に挟まれた「The World」への向き合い方の話。

 

主人公であるハセヲは、「The World」はあくまでゲームでありそこに存在する物に価値はないという考えを持っています。

志乃との出会いでその考えは少し変わりかけましたが、志乃を失ってからはスタンスを戻しています。

 

なので、人と争わず「The World」の作る美しい光景を見て満足しようとしていたアトリの考えを否定しました。

 

しかしその後も、色んなプレイヤの「The World」への向き合い方を見て、ハセヲの考えにも少し変化が現れます。

 

ハセヲの心境の変化。

それは全て他人の考えを知ったことがきっかけになっていました。

 

そして不特定多数の人間が集まり、ギルドという思想を持つ集団を作ることのできるオンラインゲーム「The World」はすなわち社会も同然です。

つまり、プレイヤの「The world」への向き合い方は社会への向き合い方なのです。

 

たかがゲーム、ゲームされど...。

 

ゲームは現実とは違うと切り捨てるのか?

アトリのように素直な優しい心を持って社会に接するべきなのか?

ガスパーのように笑顔がある社会を求めるべきなのか?

 

様々な考えに触れた結果、ハセヲがどんな答えを出すのか、楽しみです。

 

 

 

どちらでもない点

戦闘システム

「G.U. Vol.1」の戦闘は、○ボタンで攻撃、×ボタンで防御、R1でスキル発動というノーマルなアクションです。

 

ただ、他のアクションと違うのはスキルを使用するタイミングが大事な連撃システムや反撃システムでしょう。

 

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スキルを発動するとき、相手の発動しているスキルを止めることができ有利な状況に持っていくことができるのです。

更に仲間と攻撃していた敵にスキルを重ねると連撃になり、スキル効果が上がる。

 

このタイミングを図ってスキルを発動する、というのが醍醐味なのですがここが微妙なところ。

 

スキルのタイミングが合うと爽快だし、仲間との連撃も気持ちいいのですがスキルは連発できるものではありません。

 

敵1体のスキルを止めても他の敵のスキルにボコボコにされます。

スキル発動後はすぐに防御行動ができないので、こうなること多数。

 

行動と行動の間の隙が少なくなって、連続で行動できればもっと楽しいのになと思います。

あと、レベル補正も大きいのでレベルを上げないと太刀打ちできないのも勿体ない。

 

ただ、メインシナリオ上何回かある憑神バトルは良いと思います。

 

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見た目も派手で格好いいですし、ストーリー上大事な局面でこのバトルになることが多いので盛り上がります。

 

通常バトルの億劫さと憑神バトルの面白さの両方がある戦闘システムはどちらでもない点としました。

 

 

悪い点

冒険感は無い

オンラインゲームと言えば広大な世界を、自分の作ったキャラで駆け抜ける冒険感を求める人も多いでしょう。

 

今でこそそのスタンスのゲームは多いですし、2000年代にもあったと思います。

 

「G.U.」は初代「.hack」と同じように、都市からカオスゲートを通してダンジョンにワープし、攻略してアイテムを入手する。

この繰り返しが主なゲーム内容です。

 

それは初代から分かっていたことなので良いのですが...、

Vol.1では都市もマク・アヌとルミナ・クロスの二つしかなく、しかもメインシナリオのほとんどはルミナ・クロスのアリーナを勝ち上がることです。

 

カオスゲートから行けるダンジョンもパターンが決まっているので何回かプレイするとちょっと飽きてきます。

 

世界を駆け巡って、とはいかないまでも少しは冒険できることを楽しみにしていたのでこの点は悪い点にさせていただきました。

 

Vol.2以降もこのスタンスは変わらないと思いますが、都市が増えたりダンジョンのパターンが増えたりしていてほしいなぁ。

 

 

最後に

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設定が分かりにくい「.hack」シリーズですが、この「G.U. Vol.1」にはシリーズの顛末を教えてくれるディスクが付いていて、とても助かりました。

 

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今後「G.U.」シリーズをプレイすることで内容が拡張されていくらしいので、それも楽しみに後の作品をプレイしたいと思います。

 

新しいシリーズの初代ゆえ、不満に思うこともありますがそれは今後に期待ということにしたいと思います。

 

それよりも、途中でぶった切られたストーリーがどのように展開していくのか?

そしてシステムがどのように改善されていくのかに期待したいです。

 

それでは、今回はここまで。

 

 

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