【感想】蒼穹のファフナー EXODUS 第一話を一部文字おこししながら感想
唐突に思い立ったこの企画。
「蒼穹のファフナー EXODUS」は第一期、劇場版と続いたファフナーシリーズの第二期の作品になります。
初めてこのEXODUSを見終わった時、いや見ている途中から嫌いだと感じていました。
第一期で戦い抜いた一騎たちをさらに苦悩させる意味とは何なのかと思ったからです。
合間に気にいるシーンが挟まりつつも、やはり全体として好きとは言えない作品になっていました。
しかし、今劇場にて先行公開している「蒼穹のファフナー THE BEYOND」を見る際に、EXODUSの続きなんだから見直さなくちゃなぁと思い、見直しました。
そうすると、以前は「嫌い」というフィルターをかけてみていたからこそ気が付かなかった点があることを知りました。
そこから、このまま嫌いでいていいのかなと考え、見直すついでにより深く知るために文字おこししてみようと思いいたりました。
感想を交えつつ書ければ自分の考えもまとまるかなという希望込みです。
あくまで趣味なので聞き間違いや書き間違いがあるかもしれませんが、自分の正しいと思う内容に書き換えていただければと思います。
(自分で気が付いたら直します)
では、始めます。
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君がこれを聞くとき、僕はもうこの世にいないだろう。」
第一期も総士の独白がありましたが、第二期も総士の独白が多いです。
この台詞は後に、総士がニヒトに登録した音声記録だということが分かります。
僕が第二期を嫌いな理由に、こうした思わせぶりな台詞が多いことがあります。
ダスティン「降下まで60秒!」
「総員、出撃体制!」
「作戦に従い、速やかに前線に加わる。用意はいいな!」
パイロットたち「了解っ!」
ダスティン「お前たちは皆、厳しい訓練をやり遂げ、ここまで生き抜いた精鋭だ。」
「共に戦えることを、誇りに思う。」
ビリー「...。」
ダスティン「作戦開始っ!」
ダスティン率いるファフナー隊が奮闘する様子が描かれます。
この時、ミツヒロ、アイ、ビリーは初陣だったのでしょうかね。
ダスティンが厳しい訓練をやり遂げた云々と発言してるので。
キースがまともに見える。
総士「対フェストゥム専用。思考制御、体幹操縦式。有人兵器ファフナー。
選ばれたものにしか動かせない、僕らの切り札。」
ダスティン?「タイプ1,2,3確認。タイプ4に注意せよ。」
総士「敵の一部を内蔵し、その力を、人類のものとする。」
「ファフナーがなければ、僕らはとっくに滅ぼされていただろう。」
「たとえ勝利には遠くても、希望を持つための時間を稼ぐことはできた。」
希望という言葉は第二期で本当に沢山出てきます。
ここでいう希望とは、エメリーや美羽をはじめとするエスペラント、そしてエスペラントの考えを理解する人間が現れた事でしょうか。
ナレイン(これまで見向きもしなかったものを...。)
(人類がどのようにして命を保つか学習したか、フェストゥム...!)
希望と同じくらい、フェストゥムが学ぶ、という意味の言葉も沢山登場します。
こちらは第一期から度々出てくる要素ですね。
人間という、善悪内包する存在から学んだ事で、フェストゥムはある意味苦しむことになります。
男性オペレーター「本部が交戦規程アルファを発令!」
「対象は、ビック(?)アイランド全域!」
ナレイン「!?」
「なん...だと...?」
男性オペレーター「本部指揮から空爆部隊が接近!」
男性兵士「そんな...。」
ナレイン「新国連本部へ繋げ!」
「私の名で攻撃中止命令を出す!」
交戦規定アルファがまともに描かれるのは初めてでしょうか。
フェストゥムの能力を考えると、存在してもおかしくない規定かもしれませんが、やはり嫌ですね。
男性オペレーター「ナレイン将軍より、中止命令です!」
男性指揮官「もう遅い!ポイント入力!攻撃開始!」
ウォルター「やめろぉぉぉぉぉ!!!」
人類軍の中には、交戦規定アルファのような非人道的なやり方に反感を抱いているものもいるという描写。
実際に行動したのがウォルターというだけであって、心の中では皆反感は持っているかもしれないですね。
画像つけたら、即落ち2コマみたいになってしまった。
アイ「私...!仲間を撃った...!私...!」
ビリー「だめだ...。誰か生きていないの...?」
--焼けただれながらも歩き続ける大型フェストゥム--
キース「だめだよ...。私らじゃ、勝てない...!」
ダスティン「くっ!」
ミツヒロ「あ...、あぁ...。」
(何のために戦った...?皆、何のために...!?)
交戦規定アルファによって、同化された機体を仲間ごと倒したのでしょう。
もし初陣だとしたら、この仕打ちは残酷。
総士「長い戦いに、世界が疲弊する中、もし互いの存在を理解できたら
この戦いも終わるのではないか。」
「そんな、微かな希望が。世界の片隅で生まれようとしていた。」
互いの存在を理解する、というのは第二期の根底にあるテーマですね。
人間とフェストゥムの対比のみならず、人間と人間の間にも関わってきます。
総士「竜宮島。」
「戦乱で日本が消滅した後、平和という文化を残すために造られた、人口の島。」
「僕のかつての居場所だ。」
かつて、とか言わないで欲しい。
咲良「地区対抗が近いわよ!気合入れなぁ!」
美三香「美三香ラジャーです!要先生!」
咲良「みかみかぁ!あんたは本気出さないの!」
咲良が地区対抗、と言ってますが
第一期で、本土が存在しないことは公になったと思ってたのですが、戦いに参加していない生徒たちはまだ知らないことになっているんでしょうか。
それとも竜宮島内の地区?
あと美三香にかけている言葉は戦闘訓練もあることを見越して?
咲良「近藤先生!」
剣司「うぉあ!」
「なんだ、咲良...。誰か怪我したか?」
咲良「ちょっと休ませてやって。」
剣司「?」
剣司は医療、咲良は教育の進路を決めたのがここで分かります。
しっくりきますよね。
後にSDPが登場した時にも、剣司はそれっぽい力を発揮します。
美三香「続き続きぃ!っとぉ!失礼しましたっ!えへ、どもどもぉ。」
咲良「あの子見てると、昔の一騎を思い出すわ。」
剣司「昔の、な。」
「そうだ。帰り、一騎のところで飯食うか!」
咲良「あら、あたしの料理は嫌だってわけ?」
剣司「そ、そうじゃねぇって!」
BEYONDの話になりますが、剣司は前線を退いた後幸せ太りをしてます。
咲良の美味しい料理を毎日食べてるのでしょう。
里奈「いくつ番組作ってんのよバカ広登は...。」
「芹も付き合いすぎだっつぅの。」
「もうっ、暇だし暑いし...。おばあちゃーんあたしAlvisで働きたーい。」
行美「戦うことばっかり学ぶんじゃないよ。」
「あんたも島の文化を受け継ぎなぁ。」
里奈はBEYONDで結構重要なポジションに位置することになります。
この時は思いもよりませんでしたね。
EXODUSでも活躍の場が多く、性格もサバサバしてるので好きなキャラです。
彗「こ、こんにちは、里奈先ぱ...うわぁ!」
--胸元を開いて団扇を仰いでいる自分に気が付く里奈--
里奈「え?あ...。なぁに!?鏑木!」
彗「え、あ、えと、あ!これください!」
里奈「あんた...、これ昨日も買わなかった?」
彗「え?あの、保存用です。あと、これも!」
里奈「鏑木ぃ、あんた生徒会長でしょ?」
「漫画ばっか買って、七夕祭りの準備できてんの?」
彗「そ、それが...。里奈先輩がいないと記事が滞って...。」
里奈「なっさけないなぁ...。今度、一騎先輩のところで一緒に会議する?」
彗「は、はい!お願いします!」
「あの、里奈先輩!この後暇ですか!?」
里奈「は!?あたし働いてんだよ?暇なわけないじゃん...。」
彗「そう、ですよね...。ははは...。」
行美「...鈍い!」
胸元を隠す考えはあるのに、彗の気持ちには気がつかない…。
おばあちゃんの言う通りですね。
カノン「ふぅ...。Mk.VI(マークゼクス)改、腕部駆動系、組み込み完了。
FTP試験お願いします。」
容子「接続確認。上達したわね、カノン。」
カノン「母さんが教えてくれたから。」
容子「ここではクルー兼教官よ。」
カノン「あっ、はいっ、羽佐間先生!」
容子「ふふっ、さぁ、外に出て食事にしましょう!
一日中そこにいたら病気になるわ。」
カノン「了解。」
容子「また一騎君のところがいい?」
カノン「!私は別に...どこでも...。」
容子「ふふっ、さぁ、上がってらっしゃい。」
カノン「了解!」
容子(もう誰にも乗ってほしくないのに...。
またこれを組み立てるなんて...。)
ファフナーの機体名は今でも全然覚えられていないのですが、この文字起こしでゼクスは翔子の乗っていた機体なんだと知りました。
そりゃ、お母さんは組み立てたくないですよね…。
カノンはもうすっかり打ち解けてます。
一騎「まだか?ランチ間に合わないぞ。」
暉「大丈夫です!やらせてください!」
中略
一騎「それ、お前が作ったのか?」
零央「あ、はい。親父から教わって。」
一騎「すごいな...。」
零央「それより一騎さん、お客さんですよ。」
喫茶楽園はカレーとケーキで勝負してるんでしょうか。
一騎が何か刻んでるし、他にも料理あるんですかね。
料理できる男子って良いです。
暉「お待たせしました!暉カレーです。」
総士「ほぉ、新商品か。」
暉「いえ、でも作った人の名前つけるのここのルールですよね?一騎カレーとかっ。」
一騎「溝口さんが勝手につけたんだよ。」
暉「俺、一騎先輩のこと尊敬してますけど、負けませんから。」
一騎「はいはい。」
零央「?」
総士「遠見と溝口さんは?」
一騎「空にいるよ。」
暉「最近ずっとです。」
「遠見先輩と働けると思ったのに...。」
総士の新商品かっ!ってなんか力込めてる言い方が好きです。
暉の負けないに込められてる意味は一騎に100%伝わってるんですかね。
一騎だから、全部分かってそうではある。
真矢「アローズよりコントロール。」
「アンノウン、フォロー。シーカー入力。」
溝口「さすがお嬢ちゃん。じゃあこいつはどうだぁ!?」
中略
真矢「え?」
溝口「グレース(?)よりアローズへ。」
「ランアウトだよ。」
「だめだぜぇ?早く飛べるからって、敵を追い越しちゃあ。」
真矢「んもぉー。」
ファフナーに乗ってもかなりの強さを誇る真矢ですが、戦闘機も乗りこなしています。
溝口さんは真矢に結構入れ込んでますが、後々もっと入れ込むことになります。
美羽「へぇー、大きな飛行機に乗ってるの...。怖くない?ふーん、そうなんだ!」
弓子「美羽ったら...、最近ああして、空想のお友達とばっかりお話ししてるのよ。」
千鶴「同じ年頃の子が他にいないからかしらねぇ。
心配することはないと思うけど...。」
弓子「感受性の強い子だから、どうしても不安になるのよね。」
美羽「うん、真矢お姉ちゃんも飛行機に乗ってるんだよ。」
「もうすぐだね、エメリー。」
空想の友達と遊ぶことは、小さな子にはありがちなことです。
ただ、美羽の場合道生の忘れ形見でもあるし、弓子としては気が気じゃないですよね。
美羽自身が心配というのもありますが、理解できないことが苦しいのです。
一騎「カノンはメロンフロートと、はい。」
カノン「な、なんだ?頼んでないぞ?」
一騎「サービス!」
「いつも来てくれるから。」
「好きだろ?」
カノン「!」
「嫌いでは、ない。」
他の面々の来店は描写しないのに、カノンはしっかり描かれます。
一騎はカノンの気持ちも気がついてます、絶対。そして優しくする。
悪い男ですよ。
総士「遠見は航空、カノンは工学、剣司は医療、要は教育。皆進路を決めた。」
一騎「総士は研究か。向いてそうだな。」
一騎「意外に向いてるよ。」
総士「元エースパイロットしての貴重な経験を活かすなら、教官という手もある。」
一騎「ファフナーを降りても、消えないんだな。」
「いずれ直す方法を発見する。」
一騎「何か学んで、やり始めて...。でもそれがやり残したことになるのが嫌なんだ。」
「お前はそうじゃないのか?総士。」
総士「回復の可能性はある。悲観するな。」
一騎「してないさ。あと3年...。」
「それだけあれば、覚悟だってできる。今は目も見える。」
「ここは穏やかで、大事な仲間がいた場所だから...。俺はここにいるよ。」
一騎の中には、戦って守りたいという気持ちがずっとあるのでしょう。
周りから止められて退いてはいますが、それがやり残したことになってしまっているのでしょう。
総士はそれを分かっていて、その思いを断ち切らせたくて指の痕を消せると言ってるように思います。
芹「こんにちは、椿姫ちゃん。」
「いつも島を守ってくれて、ありがとう...。」
芹たち第二世代の中で、椿姫と一番仲が良かった芹は足繁くコアの部屋に通っているようです。
そういうところが好きよ。
そんな芹だからこそ、織姫も心を開いたのでしょう。
ナレイン「感じるかね?」
エメリー「うん。」
「とても、きれいな島にいる。」
中略
ミツヒロ「将軍!」
ナレイン「うむ、エメリーも感じたようだ。」
エメリー「私たちを、会わせたくないの...?」
エメリー達が竜宮島に来ました。
ここから、苦しい旅が始まることになります。
エメリーが美羽と会うことは必要なことだったとはいえ、ここで彼らが来なければ…と思ってしまうのも事実。
史彦「状況は!?」
陳「演習中のテストレル(?)より報告。
人類軍輸送機が接近中。エマージェンシー発生。」
ジェレミー「シールド圏外にて、質量不明のワームを確認。
ソロモンの応答、ありません。」
中略
陳「~より通信要請。日野家です。」
史彦「繋いでくれ。」
千鶴「申し訳ありません。
えぇ、美羽ちゃんが急に...。
はい、それが...。飛行機を助けてと。」
平和の文化を残しつつも、戦わなくてはならないときは戦うのが竜宮島。
大人がどうにかしてあげたいのに、子供に戦いを強いていることを悔しがっているのはファフナーの魅力の一つでもあります。
美三香「ムムムム...。
くぁーっ!やっぱゴウバイン最高ーっ!」
零央「彗、昨日も同じ雑誌買ってなかったか?」
彗「え?そう?」
中略
広登「ほら。」
美三香「?」
広登「俺が先輩から受け継いだものだ。
大事にしろよ。」
美三香「広登先輩...。ありがとうございます!
...格好いい...!」
まさか第一話で衛のゴウバインが受け継がれるとは思いませんでした。
ここも不吉な暗示か...と、この時は暗く受け止めましたが、広登と美三香に悲劇が訪れるのは随分先でしたね。
暉「いいのか?お守りあげちゃって。」
広登「ファフナーに乗れるのも、あと数年だろ?
今のうちに受け継いでもらわないとな!」
同化現象の軽症化に成功はしているものの、ファフナーに乗れる限界は成人頃までとなっています。
なので第一期のメンバはほとんど引退寸前。広登達もそろそろ引き際が迫っています。
そういう状態だということも、広登はこの後の旅に出たいと思った理由になったんでしょうか。
史彦「偽装鏡面、解除!」
澄美「コード入力、偽装鏡面解除!」
島の偽造鏡面が解除される光景は好きです。
一期で最初に見たときは感動しました。
ミツヒロもこの光景を見て口笛吹いていますね。
真矢「飛行中のC300へ、こちらFSEコード:アローズ。応答せよ。」
ナレイン「通信に感謝する。
こちらC300コード:ケートス。
人類軍、南アジア艦隊所属、特殊航空連隊、ペルセウス中隊。」
真矢「ケートスへ。
誘導に従ってください。」
ナレイン「アローズへ。
全面的に従う。
代わりに、貴官の指導者に伝えてほしい。
我々の望みは、お互いの希望を出会わせることであると。」
真矢「希望...?」
共通の言語で話しているようですが、フェストゥム襲来から言葉を統一したのでしょうか。
弓子はこの時から、ずっと辛そうにしています。
自分の理解できないものを美羽が理解していて、そのもの自体よりも、理解できないことが怖いんですね。
人類にとって美羽やエメリーは大事な希望かもしれませんが、一人の母親としては娘には平穏に生きていってほしいと願うはずです。
総士「多くの犠牲によって勝ち取った平和。
それを失ってでも、求めたものは何だったのか。
未知の希望が、新たな戦いと共に訪れたその日。
僕らの最後の時間が、始まった。」
結局、求めたものは何だったんでしょうかね。
EXODUS全体で、最終的に目標を一つ果たすことができましたが、そのために失ったものが多すぎました。
それが正解なのかそうでないのかはきっと誰にも答えを出せませんし、このアニメも答えを出すことを目的とはしていないです。
そうやって失って、得て、生きる姿を描くこと自体がファフナーシリーズの目的だと思っています。
それを見て、何を学ぶのかは僕たち視聴者の自由です。
あと、最後の時間という思わせぶりなセリフも好きじゃありません。
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第一話は世界の情勢、竜宮島の現在、島民の生活、物語の始まりを綺麗に見せた話だと思います。
交戦規定アルファの絶望的な光景のあと、島の平和な生活を流すのは、上手いと思います。
一期の登場人物たちがその後どうしているのかも、分かるように映されていますし、新しいキャラ達もその人となりが伝わるようになっています。
3世代目の搭乗者の中では、彗が好きですね。
ちょっと調子に乗っている初期も、くじけ掛ける中期も、家族との関係を修復した終期も良いキャラしています。
里奈先輩と上手くいってほしい。
一話の感想は以上になります。
まだ悲壮感は感じられませんが、その片鱗が見られる話でしたね。
ここから辛い話が続く...。
初回なので、結構リッチに台詞を拾いましたが、大変だったので今後はスカスカになるかも...。
それでは、今回はここまで。