中世実在職業解説本 十三世紀のハローワーク
同人作家や同人絵師も大衆の目に入りやすくなった昨今、今までだったら隠されていた才能が開花する機会も増えてきています。
大手出版社、大手ゲーム会社の関係者がコミックマーケットに行き原石を探しているのは聞いたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回ご紹介する「十三世紀のハローワーク」もそうやって大衆へ出てきた本の一つです。
作者の「グレゴリウス山田」さんは元々同人誌としてこの本を頒布していたそうですが、一迅社さんのご厚意により書籍化することができたそうです。
(影ができて申し訳ありません。)
少し前に表紙が気になって購入したらとても面白かったので、今回少し中身をご紹介したいと思います。
見た目
(表紙)
ゲームクリエイターの「松野泰己」さんも絶賛していると帯が付いています。
表紙の絵が素敵ですよね。
少し昔のゲーム絵みたいで惹かれます。
(裏表紙)
本棚に立てかけてたらちょっと曲がっちゃいました。
もう一つ、漫画も刊行されていたみたいです。
中身
(水売りのページ)
左のページに職業のイラストと説明、あとゲーム風のパラメータやスキルの表示などの遊び要素も。
(右ページ)
右のページに詳しい職業の内容が書いてあります。
イラストが可愛いのでそんなに構えないで読めるのが素晴らしいですね。
文章も固くなくて読みやすいです。
読んでいて思うのは、13世紀当時の生活水準の低さ。
そして、その生活を向上させるために様々な職業が生まれていったんだということ。
(カストラートのページ)
オカルトな職業もたくさんあります。
(カストラートはオカルトとはちょっと違うかもしれないけど)
今もそうですが、民衆を信じ込ませる(言い方悪い)職業も存在していたんですね。
(汲み取り人のページ)
そして人が目を向けないようにしている物を対象にした職業も多数。
避けたいものですが、このような人たちがいないと生活が成り立たないのも確か。
今だとこういう職業は賃金の高さで差をつけていますが、当時はどうだったんだろう。
(参考文献ページ)
驚いたのは参考文献の数。
画像のようなびっしり参考文献が書かれたページが3ページも。
作者様の知識量と努力量に感嘆します。
職業だけでなく、当時存在した場所のイラストや役割を書いたページもあり、当時の生活について詳しく知ることができます。
最後に
正直に言って、この本が無ければ13世紀の職業について知ろうなんて思いもしませんでした。
こういった入りやすい入り口を用意してくれる専門誌というのは思いのほか需要があるのかもしれません。
同人で活躍している方の中にも、素晴らしい作品を残している方が大勢いらっしゃいます。
この作品はその中の一つにすぎません。
このような作品が今後増えてきて、人気が出るといいですね。
あまり中身を写すと良くないかなと、少な目の紹介となりましたが、気になった方はチェックしてみてください。
一迅社より2700円+税で発売されています。
ゲーム関係の本が置いてあるエリアで探すと見つかるかもね。
それでは、今回はここまで。