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色んなモノの感想を書く。

現実とゲームと

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ゲームをプレイしていて、時々感じる妙なリアルさ。

 

表現力が格段に上がったことにより、ゲームはよりリアルになり僕たちの現実世界に近づいてきています。

 

それに慣れてきたプレイヤたちも、表現の基準が高くなり、それ以下の表現をしているゲームは軽視しがちなところもあります。

 

しかし、ゲームは現実ではありません。
どこまで現実に近づけようと仮想現実です。

 

僕は、ゲームが現実に近くなることに反対なわけではありません。


向上した技術を存分に発揮したいクリエイターの方々の意気込みを感じますし、それによって開拓されたジャンルもあります。

 

特に、少し前に話題になったデトロイトは凄かったです。
あれこそ現実に近づいたからこそ味わえる感動でした。

 

その一方で、オクトパストラベラーのような現実とはかけ離れたドット表現のゲームにも魅力を感じます。


そこには現実味などないので、足りない部分はプレイヤが自由に想像して、補完して楽しむ要素があります。

 

ただ、リアルな表現をしようとして本来のゲームとしての楽しみを 損なう無駄なリアルがあるので、僕はゲームを現実に近づけることに少し抵抗があるのです。

 


・無駄なリアル
これを強く感じたのはファイナルファンタジー15でした。

 

元々、ヴェルサスというナンバリングとは異なったシリーズとして発表された15。

 

ファブラノヴァクリスタリスの構想が崩れて、ディレクターが変わって、目指すところが変化したためナンバリング作品として再発表されることになりました。

 

ヴェルサスとして発表されているときは、キングダムハーツシリーズの特徴が生かされた軽快なアクションゲームの様相でした。
主人公が2段ジャンプしたり。

 

しかし15になったことで、アクションゲームでありつつもリアルな表現に注力した作品になっていきました。


雨が降ると水が溜まる、風が吹くと物が揺れる、魔法を使うと環境に影響がある等々。
ジャンプも2段ではなくなりました。

 

開発中はそれらリアル表現のアピール映像が公開されたりと、ゲームというより技術紹介の面を見せていきます。

 

その時、違うでしょうと、思いました。

 

僕がやりたいのはリアルな表現にこだわった技術紹介ゲームではなく、スクウェア・エニックスが作る次世代のファイナルファンタジーなんです。

 

不安を覚えつつ、発売された本編をプレイすると...。


面白いところもありつつ、やはり感じた違和感を払拭できませんでした。

 

炎の魔法を使うと仲間が焦げて行動しなくなる、走り終えると額を拭く・膝に手をついて息をして立ちどまる、藪に入ると手でかき分ける動作が入る等々。

 

アクションゲームにいらないでしょう、それは。

 

それによってアクション要素を阻害してどうするんですか。


自分で出した魔法であっちっちなんてしてる主人公、ギャグ要素でしか見たことないですよ。

 

これは、近年で一番感じた無駄なリアルでした。

 

ゲームなのに、現実的な表現をしようとして、ゲーム要素を邪魔している。
本末転倒です。

 

ゲームなんですから、プレイヤにとって有利な表現でいいんですよ 。

 

自分で出した魔法は仲間には影響が無くていいんです。ゲームなんですから。
2段ジャンプは現実的に不可能でも、可能でいいんです。ゲームなんですから。
いくら走っても疲れないのはあり得なくても、あり得ていいんです 。ゲームなんですから。

 

ゲーム内では、思いっきり非現実を味わいたいんですよ、僕は。

 


・ギリギリの現実
しかし、いくら非現実的な表現がほしいといっても、それだけで満足しないのが面倒なプレイヤの想い。

 

思いっきり非現実な世界でも、どこかに自分が共感できる現実味がないと、入り込めないことがあります。

 

例がRPGばかりで申し訳ないのですが、テイルズオブエクシリア

 

当時も騒がれていましたが、主人公一行の行動基準・価値基準に現実味が一切ありません。

 

ゲーム部分は現実味がなくて問題ないのです。
元々そういうシリーズですし、そこが面白い。

 

しかし、主人公をはじめ仲間たちはヒロイン(第二の主人公)のミラに首ったけで彼女を全肯定。


彼女の言ったとおりに行動し、彼女に反する意見には同意しません 。

 

しかもそこに明確な理由が無いのです。


ミラはその世界ではすごい存在であることは間違いないのですが、 仲間たちがあそこまでミラに傾倒する理由が見えない。

 

そこで、プレイヤは冷めてしまいます。

 

自分が操作しているキャラの行動基準が、現実離れしていると萎えてしまうのです。


非現実を求めつつも、共感できる現実味が存在しないとついていくことはできません。

 

ギリギリ感じられる現実。


これもゲームには必要な要素なんです。

 


・終わりに
改めて書いてみると、面倒な存在ですね。プレイヤは。
(というか、僕が)

 

しかし、これは僕が感じた正直な気持ちです。
どんどん進む表現力の向上に感じている不安です。
今一度、ゲームに求められているのは何なのかを考えた結果なんです。

 

最近オクトパストラベラーにとても感動してしまったので、改めて考えることになってしまいました。
この作品はホントに素敵です。

 

例に挙げたファイナルファンタジー15も、テイルズオブエクシリアも良いところが沢山あります。
なんだかんだ両方ともクリアできましたし。

 

その良いところが、今後のシリーズ作品に生かされてほしいです。

 

今後の両シリーズの展開にも期待しています。

 

あ、15はDLCもいまだに追加しています。
敵役だったアーデンのエピソードが出るらしいので、気になる方はチェックしてみてください。

 

それでは、今回はここまで。