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オクトパストラベラー 全ての主人公を終えて

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オクトパストラベラーは、ゲームとは、RPGとは何なのかを改めて考えさせられた作品です。

 

敵と戦うのがゲームなのか、物語を読むのがRPGなのか。

 

本作は変化しつつある最近のRPGの方向性を今一度見つめなおした傑作だと思います。

 

ネタばれになる文章も含まれています。

長いです。

 


RPGとして
RPGは役割を演じるゲームです。

 

ゲームの中の世界の誰かになって、その人物を演じるゲームです。

 

昔はどうだったのかは分かりませんが、今RPGといえば、主人公が冒険にでて、敵と戦いレベルを上げ、最後のボスを倒してエンディングを迎える。
それが思い浮かぶと思います。

 

それはそれで間違っていないと思いますし、むしろ正しいRPGの姿です。
僕もそれに親しんできました。

 

皆大好きファイナルファンタジードラゴンクエスト等、日本を代表するRPGも、そのスタイルをとっています。

 

しかし、最近はRPGの形も様々です。

 

例えば、先に挙げたファイナルファンタジーからファイナルファンタジー10,13。


この二つのタイトルは、物語を読ませることに重点を置いたものです。

 

冒険の途中で余計な寄り道をすることはできません。


基本的に、用意されたレールを進んでいくだけになります。

その最中に、用意された敵を倒すだけ。

 

その代わり、物語は徹底的に読ませます。

 

僕はこの二つのタイトルは好きですが、RPGとしては微妙なところです。


役割を演じるという部分でいえば、この二つは失敗しています。

 

当事者になるというよりは、第三者視点で物語を眺める形になるからです。
映画を動かしているような感覚。

 

例えば、世界樹の迷宮シリーズ。

 

このシリーズは、物語はあれどそれに重点を置いていません。


プレイヤーがダンジョンを攻略することに注力しています。

 

ボスにどうやって効率的に勝利するか戦略を立てたり、ひたすら育成をしたり。

 

そして、主人公はしゃべることも意思を表明することもほとんどありません。


こちらの操作に流されるままダンジョンを攻略していきます。

 

もしかしたら、役割を演じるということは成し遂げているかもしれません。

 

しかしこのタイトルは、物語を読ませるという部分でいえば失敗しているともいえるでしょう。
(攻略や育成に夢中でシナリオの内容を忘れることもありますし)

 

それでは、オクトパストラベラーはどうだったのか。

 

僕の答えは、すべてを内包している、です。

 

オクトパストラベラーには主人公が8人います。


それぞれの物語は、それぞれ違うRPGの形を取っているのです。

 

サイラス編。

 

サイラス編はバトル攻略が楽しいRPGでした。

 

サイラスは固有能力として、相手の弱点を割り出すスキルを持っています。


このゲームにおいて弱点が分かるということは、それだけブレイク にもっていきやすいということなのでゲーム攻略において大事な能力になります。

 

さらに、サイラスは学者という職業で火氷雷の3属性を扱えるため 、バトルで大いに活躍します。


道中の戦闘はサイラスがいれば大体弱点をつけるでしょう。

 

そして、ラスボス戦。

 

なんとラスボスは、ブレイクするためのシールドが最初は30枚あります。

 

しかも、バトルを進めると属性攻撃が全く効かないことが分かります。
サイラスメタ構成です。

 

ならばと物理攻撃で攻めていると、途中で弱点が変わって属性攻撃が通るようになったり。

 

これまでプレイヤが培ってきたバトルの知識を大いに求められるラスボス戦なのです。

 

アーフェン編。

 

アーフェン編は物語に重点を置いたRPGです。

 

ラスボス戦も、物語上重要な相手ではありますが、攻略としては今までの戦闘とあまり変わりません。

 

しかし、そのラスボス戦は物語上避けて通れないものであり、その 先の話につながる大事なものになります。

 

ラスボスがシナリオのクライマックスではなく、そこはあくまで通過点に過ぎない。

物語重視にほかなりません。

 

プリムロゼ編。

 

プリムロゼ編は、バトル、物語、両方が絶妙にマッチしています。

 

ラスボス、ついにたどり着いた敵の正体はあまりにも残酷なものでした。

 

プリムロゼは苦悩しながらも、父親への想いと自分の信念で戦いを挑みます。


そのラスボス、最初に通る弱点がプリムロゼの初期装備である短剣のみなんです。

 

これは、バトルに物語的意味を持たせたお手本だと思いました。


プレイしているときは本当に震えましたね。

 

バトルにも、物語にも。
両方に重点を置いたシナリオを別々に用意する。


主人公が8人もいたオクトパストラベラーだからこそできたことです。


では、役割を演じるという点ではどうだったのかというと、これは 失敗しているでしょう。


主人公たちは自分の意志をしっかりと持っており、プレイヤはそれを手助けするような形になっています。

 

しかし、それはメインシナリオの話です。

 

このゲームはメインシナリオを進めず、好き勝手に世界を旅することもできます。

(酒場でシナリオ進めるか自由に進めるか選択可能)

 

好き勝手に進めていると、途端に役割を演じる要素が顔を出してきます。

 

メインシナリオに関わらないサブストーリーがあります。


これを進めているとき、主人公たちは途端に口を閉ざし、頷いたり説明するだけの存在になります。

 

これは、枠割を演じるという要素に重点を置いているドラゴンクエ ストに通じるものがあります。
はい、いいえしか言えないドラクエの主人公...。

 

しかも、サブストーリーにはクリアの方法が2種類用意されていたりとプレイヤの考えを反映できる要素もあるのです。


これは、まさにゲーム内の役割をプレイヤが演じるために用意されたものでしょう。

 

メインとサブを完全に切り離し、2つのRPGのタイプを内包させたゲーム。

 

それがオクトパストラベラーでした。
新しい形のRPGです。

 

 

・ゲームとして
僕がゲームを好きな理由は、その世界に能動的に干渉できるからです。

 

映画や小説のような見ているだけのものではなく、自分から関われる。


それがゲームの魅力であり、強みだと思っています。

 

オクトパストラベラーは、その強みも存分にいかした作品です。

 

8人の主人公には、固有のアクションがあります。


サイラスなら街の人から情報を探る、プリムロゼなら町の人を冒険に誘う、オルベリクなら決闘を仕掛ける等々。

 

これは単にキャラの性格・職業を生かしたものではなく、シナリオにも深く関係することになります。

 

それを強く感じたのはオフィーリア編。
オフィーリアのアクションはプリムロゼと似た、街の人を冒険に導くことです。

 

オフィーリア編では、親友であり姉妹のリアナの親ヨーゼフ大司教が亡くなる場面があります。


ヨーゼフ大司教はオフィーリアの育ての親でもありました。

 

それによってふさぎ込んでしまったリアナを励ましながらラスボス を撃退したオフィーリアですが、リアナはその後も落ち込んだままです。

 

そこでムービーが突如終わり、プレイヤが操作することができます 。
そして、リアナを導くことができるのです。

 

リアナを導いたオフィーリアは、自分が拾われたころにリアナに元気づけてもらった思い出の場所にリアナを連れていきます。


そして、今度はオフィーリアがリアナを元気づける。

 

この流れ、プレイしていて本当に感動しました。

 

シナリオの重要な局面で、プレイヤにゲームシステムを使ってキャラを動かしてもらう。
これはゲームでしかできないことです。

 

能動的な干渉。この点でここまで感動したのは久しぶりでした。


これがゲームだよ、と強く感じました。

 

ゲームでの表現方法が多彩になった最近では、いろいろなゲームがあります。

 

デトロイトでは、まさに映画のような体験をプレイヤ自身が味わえる。


サマーバケーションでは、まるでゲームの中に入ったかのように感じられる。

 

それぞれ感動はするのですが、それは技術の進歩がその背景にあるからでした。

 

オクトパスは、ドットで表現されたいわば古臭い見た目のゲーム。


それなのに、まるで新しい体験をしたかのように感動する。


だからこそ強く響いたのかもしれません。

 

 

・おわりに
一つのジャンルについて語るなら、その起源から辿って一つ一つの要素を掘り下げるのが基本かと思いますが僕はそこまでする勇気がありませんでした。

 

すみません。

 

しかし、この感動は是非書きたかった。


拙い文章になっていると思いますが、読んでくださりありがとうございます。

 

ちなみに、オクトパスで一番好きなシナリオはオフィーリアです。


上に書いたようなゲーム的な要素ももちろんのこと、シナリオも大好きです。

 

内容は、語りつくされた死生観についてです。
死にゆくものと残されたものの想い。

 

答えなんて無い命題だし、ゲーム内の答えもはるか昔からあるものでしたが、一番心にしみました。

 

年を重ねていくと、こういったシンプルに思いを伝えてくるシナリオが一番感動するのかもしれません。


あと、BGMが良すぎた。これは間違いない。

 

さてこれからはサブストーリーをクリアしなくてはいけません。


このゲームが最後に見せてくれるのがどんなものなのか、楽しみですね。

 

それでは、今回はここまで。

 

PS:シナリオの折に発生するパーティチャット、主人公同士の掛け合いが見られるので大好きです。
皆どこまでも優しい。