【今週の一曲 #13】「塔」【ニーアオートマタ】
白というものは不思議でして。
真っ白い部屋があったらとてもきれいに見えます。
しかし同時に生活感を感じない不気味さもあります。
白は無彩色です。
しかし白はRGB(赤・緑・青)が均等に存在するときに見える色なので、そのすべてを
内包しています。
見る視点によって白という物はその印象を変えていく不思議な存在なのです。
今回は、そんな白を表現したような曲をご紹介。
今週の一曲
「塔」
「ニーアオートマタ」というゲームがあります。
ご存知の方も多いでしょうが、2017年2月23日にPS4にて発売されたアクションRPGで
す。
「ニーアレプリカント/ゲシュタルト」の続編であり、「ドラッグオンドラグーン」
シリーズと世界観を共有する作品でもあります。
上記で挙げた作品は全て「ヨコオタロウ」さんが携わっており、代表作でもあります。
去年は発売されるや否や大きな話題となり、全世界的に注目作となりました。
そんなオートマタですが、注目された理由の一つに音楽があります。
レプリカント/ゲシュタルトのときから音楽は高い評価を得ており、今作でもベスト
スコア賞を受賞するなど、同様に高い評価を得ています。
サウンドトラックはゲーム音楽としては異例のセールスをたたき出しており、コンサー
トも開かれてきました。
そんな今作は、ご紹介したい曲が多いのですが、今回はこの「塔」という曲を。
ラストダンジョンで流れる曲なのですが、かなり静かな曲です。
伸びやかな音とボーカルがラストダンジョンの色でもあった白を連想させます。
しかし、ラスダンの白が不気味な色だったのと同じように、この曲もなんだか不気味
な雰囲気を醸し出しています。
曲、というにはメロディが少なくラスダンだというのに落ち着いている。
ゲーム内の展開はこのダンジョンまでは怒涛の勢いだったので、いきなりこの落ち着
きようがくると逆に怖いです。
この曲、3分過ぎから展開が変わり、重々しい音が交わり厳かな雰囲気になります。
ここまでくるとラスダンっぽいですね。
作曲者は「岡部啓一」さん。
ニーアシリーズではおなじみのあの方です。
サントラのインタビューでは、ヨコオさんからメロディを極力減らすように進言され、大変苦労したそうです。
でも、そういう苦労の上でこのような素晴らしい曲を作ってしまうのはさすがです。
最後に
ニーアの音楽は多くの方から支持されて知っている方も多かったでしょう。
その中からこの曲を選んだのは、あまり話題に挙がっていなかったということも理由です。
多くの方が支持されると、おのずと定番の曲は決まってきてしまうものです。
今作だと「遊園施設」や「曖昧ナ希望」などですね。
それ以外にも、良い曲はあるんだよというのを主張したかったんです。
もし、この記事を読んでこの曲を聞いてくださったら、そして気に入ってくださったらとてもうれしいです。
それでは、今回はここまで。
参考
「塔」
「ニーアオートマタ」公式サイト
みんなで決めるゲーム音楽ベスト100まとめ「ニーアオートマタ」